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頭皮電位記録に基づく脳深部刺激(DBS)電極局在化の可能性に関する研究

脳深部刺激療法(DBS)は、パーキンソン病、本態性振戦、その他の運動障害による運動症状を無効化する患者に対する有効な治療法である。DBS電極の正確で個別化された配置は、手術後の臨床結果に大きく寄与する。頭皮上の電位から脳内信号の発生源を同定するために、脳波検査(EEG)が広く用いられている。EEGは可搬性,非侵襲性,低コストであり,DBS電極または刺激そのものによって誘発される誘発電位の局在を確認するために,術中または外来環境に容易に組み込むことができる。

この研究では、通常アーチファクトとなる患者の脳波からDBS電気パルスを抽出し、脳波定位法を用いてアーチファクトの発生源(すなわちDBS電極)を特定する原理を数値シミュレーションで研究した。高分解能の頭部電磁気モデルを用いて、DBSパルスのアーチファクトによって発生する頭皮の脳波電位をシミュレートした。次に頭皮上の電位分布を高密度EEG Netの256の電極位置でサンプリングした。電位は、所定のDBSアクティブ電極のペアによって生成されるダイポール源によってモデル化された。脳波の逆問題を解くためにdSPM(dynamic Statistical Parametric Maps)アルゴリズムが用いられ、3つのDBS電極二極配置における刺激ダイポールの位置を最大誤差1.5cmで特定することができた。計算モデルの精度を評価するため、シミュレーションの結果を5人の患者で測定した16個の脳波電極上の電気的アーチファクト振幅と比較した。患者において測定された脳波アーチファクトは、シミュレーションされたデータが患者のデータ(0±6.6μV)に見合っていることを確認した。

著者らは、手術ナビゲーションに必要な高精度を達成するためにはさらなる研究が必要であることを認めているが、本研究で示された結果は、DBSシステムだけでなく、ヒト中枢神経系の近位部位と遠位部位の両方における刺激によって誘発される脳リズムの非侵襲的な位置特定に使用できる有効な計算フレームワークへの第一歩として提案された。

ったな。

フロンティア研究.jpg

参考までに:

Iacono MI, Atefi SR, Mainardi L, Walker HC, Angelone LM and Bonmassar G (2019) A Study on Feasibility of the Deep Brain Stimulation (DBS) Electrode Localization Based on Scalp Electric Potential Recordings.Front.Physiol. 9:1788. doi: 10.3389/fphys.2018.01788.