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応用例

ダブルリング周波数選択サーフェス

プロジェクトファイルのリクエスト

反射係数のゼロ度位相シフトを示す物理構造を設計することは、特に興味深い課題である。理論的には、これは完全磁気伝導体(PMC)の挙動であるが、PMC材料は自然界には存在しない。このメタマテリアルが正しく設計されれば、全体のサイズを縮小しながらアンテナ性能を向上させることができる。金沢工業大学の牧野博士は、二重環状周期構造を用いることで、この分野で進歩を遂げた。9.5GHzでPMCの反射位相を示す図1の構造は、もともと彼の研究室で設計、製作、試験されたものである。その後、XFでシミュレーションを行い、良好な一致が見られた。

 

図1:製作されたダブルリング周期FSS構造。

図1:製作されたダブルリング周期FSS構造。

 

2つの周波数選択性表面(FSS)構造を作製し、測定したところ、どちらの表面にも図2の周期的な二重リングが存在した。ーFSSはーケースIではーFSSはー厚さ0.564ーmm、ーFSS厚さ0.564mm。

 

図2:リングの寸法。

図2:リングの寸法。

 

XFdtdシミュレーションでは、図3と図4に示すように、それぞれのケースで単一のダブルリングユニットのみをモデル化しました。計算中に周期的な境界条件をユニットに適用することで,メモリと実行時間の要件を低減しながら,製造された構造をより適切に表現した.測定条件に合わせるため、直線偏波の平面波を周期構造に入射させ、散乱場を収集した。

 

図3:ケースIのユニットセル:FSS構造。

図3:ケースIのユニットセル:FSS構造。

 

図4:ケースII(メタルバックFSS構造)のユニットセル。

図4:ケースII(メタルバックFSS構造)のユニットセル。

 

図5と図6に示すように、ケースIの透過係数を計算し、測定値と比較した。

 

図5:ケースIの透過率の大きさ。

図5:ケースIの透過率の大きさ。

 

図6:ケースIの透過率位相。

図6:ケースIの透過率位相。

 

ケース II の反射係数位相を計算し、製作したメタルバック FSS と比較した結果を図 7 に示す。この図から、この構造がうまく設計されており、9.5GHzにおいてPMCと同様にゼロ度の反射位相を持つことがわかる。

 

図7:ケースIIの反射係数位相。

図7:ケースIIの反射係数位相。

 

さらに、3つのユニットセルを用いてケースIIのシミュレーションを実行し、9.5GHzで定常状態の電界を保存した。図8は、メタルバックFSSの表面における不均一な電界分布を示す。この構造を低背アンテナに使用する場合、反射板上の放射体の高さを決定する際に、この分布を考慮する必要があります。

 

図8:メタルバックFSS上部の9.5GHzにおける定常状態の電界分布。

図8:メタルバックFSS上部の9.5GHzにおける定常状態の電界分布。

 

プロジェクトファイルのリクエスト

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